2021-11-05
韓国造船大手が今年の受注目標を超過達成した。今年に入って10か月間、受注した
全体船舶の中、コンテナ船が3分の1以上を占める。大手造船「ビッグ3」と呼ばれる現代
重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋は10月末まで336隻の船舶を受注したが、
このうち、コンテナ船が40%(132隻)に至る。
今年のコンテナ船発注量は4桁数まで増加し、全体発注量の増加に繋がった。イギリス
クラックソンによると、グローバル累計(1‐9月)発注量は前年1322万CGT対比2.8倍
(184%)増の3754CGTで集計した。
船種ごとにみると、12000TEU型以上のコンテナ船は前年67万CGTから今年16倍増の
1075万CGTを記録、1000万CGTを突破した。同期間、LNGキャリアも133%増の398万、
バルカーは330%増の211万、VLCCは142万CGTを記録し、前年対比85も増えた。
造船ビッグ3の中でも受注規模が最も大きい現代重工は203億ドルを収穫した。大手造船の
中でも最も多いコンテナ船を受注し、今年受注目標だった149億ドルを宇和待った。前年と
比べると285%の増加だった。隻数でみると、合計で210隻、コンテナ船が68隻、タンカー57隻、
LNGキャリア29隻、LPGキャリア49隻、RO-PAX2隻、海洋プラント3基を含む。
サムスン重工は年間受注目標を23%超過達成した。コンテナ船44隻、タンカー14隻、LNG
キャリア17隻等、合計で75隻を受注した。現代重工と同様、コンテナ船が最も多かった。特に、
サムスンの今年造船部門累計受注実績は、好調だった2007年と変わらないぐらいの112億
ドルまで増えた。
大宇造船海洋は7年ぶりに受注目標を超過達成した。今年に入って、コンテナ船20隻、タンカー
11隻、LPGキャリア9隻、LNGキャリア7隻、海上風力発電機設置船舶WTIV1隻、潜水艦1隻、
海洋プラント2基を含め合計で51隻、87億8千万ドルを受注し、今年目標77億ドルと比べ
114%超過達成した。
コロナ禍により、落ち込んでいるグローバル景気回復や投資心理が今年を起点として賦活している
のは、国内造船会社にとってはよいニュースだ。特に、2023年から適用されるIMOの船舶エネルギー
効率指数EEXI、炭素集約度CII規制等、脱炭素要求に伴う環境対応船舶の需要増加や高齢
船舶の交替需要が本格的に見込まれ、技術力の優秀の韓国造船会社には大きいメリットになるのだろう。
クラックソンによると、2021年‐2022年の平均船舶発注量は2020年958隻対比55%増の1481隻
に至る見込みだ。2023‐2031年年間平均発注量は2020年の2倍に至る1900隻の見込みであり、
造船好況が長期にわたると予想された。
具体的には今後の発注量は2023年‐2026年が2020年対比85増の1758隻、2027‐2031年が
113%増の2045隻に至るとの見込みだ。環境対応船舶の発注比重(隻数基準)は、2021年
32%から2030年59%、2050年100%に至ると予想される。
十分の受注残量や新造船価の上昇も国内造船にはよい影響を及ぼす。新造船価は鋼材価格の
上昇や建造ドックの確保競争、環境対応船舶に対する投資増加により、引き続き上昇する見込みだ。