2021-04-09
韓国船級(KR)は2023年に施行予定の脱炭素化規制であるエネルギー効率指数
(EEXI)と炭素集約度(CII)対応を支援する為、ウェブ基盤のEEXI/CII計算
プログラムを開発し、サービスを提供し始めると発表した。
IMOでは国際海運業界の温室ガス排出を抑制するため、2008年対比、温室ガスの
排出総量を50%削減し、温室ガスの中で二酸化炭素の排出量を2050年まで70%
削減する目標(GHG STRATEGY)を通知している。その短期措置の一環で2023年
から既存の船舶に適用される技術規制であるエネルギー効率指数(EEXI, ENERGY
EFFICIENCY EXISTING SHIP INDEX)と運航措置である炭素集約度(CII,
CARBON INTENSITY INDICATOR)が施行される予定である。
各国や船社らはこのような措置に反しないよう、EEXIとCII充足する為、船舶エンジンの
出力制限、スクラバー搭載、船型・船速・運航経路の最適化、環境に優しい燃料使用等、
様々な対策を検討している。
韓国船級は船社らが直面している問題を解消するよう、脱炭素規制対応向けの別途組織を
新設し、アンモニアや水素等を燃料とする船舶の開発等を行ってきた。
今回にロンチングされた「ウェブ基盤のEEXI/CII計算プログラム」は、韓国船級の強めといえる
デジタル技術やソフトウェアの開発経験をもとに開発された。各船社が保有している船舶に対し、
計算の為に求められるデータを入力すると、EEXIやCIIの規定(IMOで議論している最新規定
ベース)を満たすか、セルフ評価できるように作られた。
韓国船級はこのデータをもとに、どれぐらいの出力制限、スピードダウンが必要なのかなど、船社が
最適の対策を用意できるよう、テクニカルサービスを提供する予定だ。また、エンジニアリング業者とも
組んで、船社向けにテクニカルサポートを提供する。他にも、EEXI/CIIの対応マニュアルを開発、
船社向けのセミナ開催等、脱炭素化規制対応の為の、ワンストップサービスも提供する。
「ウェブ基盤のEEXI/CII計算プログラム」は、韓国船級のウェブサイトにあるKR GEARsページ(http://gears.krs.co.kr/Main.aspx)で、韓国船級の顧客なら誰でも利用できる。